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【困った事例から学ぶ!】
スマホ時代の就業規則 ココがポイント<5>

"鉄壁の就業規則"で、モンスター社員にビシッといえるようにする

退職者の携帯電話に顧客との機密メールがそのまま残る・・・

《こんなこと、あって良いのですか!》

卸売業のA社は、営業担当者のBが退職した。「故郷に帰る」との退職理由だった。
だが、すぐ真相が判明した。市内の同業者C社に転職したのだ。

同業他社転職が判明して、すぐ議題になったのは顧客情報だった。Bの携帯には、顧客の電話番号が全部入っていた。そしてメールの欄には、顧客との過去のやりとりが全部残っていた。

営業担当のBは、個人所有の携帯を業務で使用していた。会社は月額3千円の携帯手当を給与で支給する形だった。
A社は、経費削減のために従業員の携帯を使わせたのだが、大きなダメージにつながった。

社長は思わず「シマッタ」 とつぶやいたが、もう顧客データはライバル会社の手にあり、後の祭りだった。

 就業規則はココがポイント 失敗から学ぶ教訓
”鉄壁の就業規則”で、懲戒規程を整備して、
情報セキュリティーを強化する

イマドキの就業規則は、情報セキュリティーは最重要課題です。
情報セキュリティー対策に取り組むのは当然ですが、就業規則の整備も必要です。その中でも「懲戒規程」の充実が必要です。「懲戒規程」と一言で言いましても、㈱北見式賃金研究所が提案する就業規則には次の内容が盛り込まれています。ここまでして、初めて“鉄壁の就業規則”といえるのです。

[情報管理に関する特別懲戒事由]
従業員は如何なる事由があっても厳格な情報管理に努めなければなりません。
万一、従業員が次の各号のいずれかに該当する場合は、けん責、減給、出勤停止、昇給停止、解職または諭旨退職とします。

(1)会社のパソコンを私的に使用した場合

(2)就業時間中に私的な電話・電子メールをした場合

(3)サーバーの記録を無断で消去した場合

(4)業務と関係のない電子メールを会社のパソコンで送受信した場合

(5)ウイルスに感染したメールを開いたり、USB、FD等を持ち込んだりして会社のパソコンに被害を与えた場合

(6)アイフォンなどのスマートフォン(個人所有のもの)を業務で使用した場合

(7)アイパッドなどのタブレット型コンピュータ(個人所有のもの)を業務で使用した場合

(8)会社のパソコンに送られてきたメールが、従業員所有のパソコンや情報端末に自動転送される設定をしていた場合

(9)個人所有の携帯電話等で、業務上のメールを送受信した際に、その携帯電話等にメールを残した場合

(10)ノートパソコン(個人所有のもの)を業務で使用した場合

(11)会社の許可なく、情報機器およびその媒体(パソコン、スマートフォン、タブレット型端末、カメラ《カメラ付き携帯電話含む》、USB、ICレコーダー、FD等)を社内に持ち込んだ場合、または持ち出した場合

(12)会社および取引先の個人情報を社内規定に反して漏洩した場合

(13)業務上の機密を漏洩した場合

(14)ネット上の掲示板やブログ、ツイッター、フェイスブックなどで個人情報や機密情報を漏洩した場合

(15)ネット上の就職サイトに会社の承諾なく、会社に関する書き込みをした場合

2、 従業員が次の各号のいずれかに該当する場合は、懲戒解雇とします。
(1)会社の許可なく、情報機器およびその媒体(パソコン、スマートフォン、タブレット型端末、カメラ《カメラ付き携帯電話含む》、USB、ICレコーダー、FD等)を用いて、会社の機密情報を社外に持ち出した場合

(2)会社および取引先の個人情報を社内規定に反して故意に漏洩した場合

(3)業務上の機密を社内規定に反して故意に漏洩した場合

(4)ネット上の掲示板やブログ、ツイッター、フェイスブックなどで個人情報や機密情報を故意に漏洩した場合

このように[情報管理に関する特別懲戒事由]という項目を、服務規律に加えることが必要です。それが“鉄壁の就業規則”になる急所です。

これからの就業規則は、職場の秩序維持、それがテーマになります。いわゆる常識外れの、常識なしのモンスター社員に対して、ビシッといえるようにしなければなりません。そのために重要なのは「服務規律」と「懲戒」の規程です。

皆様におかれましては、例えば次のような就業規則はございませんか?

(制裁の種類・程度)
制裁はその情状により次の区分によって行う。
(1)譴責 始末書をとり将来を戒める
(2)減給 1回の額が平均賃金の1日分の半額、総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1の範囲内で行う
(3)出勤停止 10日以内の出勤を停止し、その期間中の賃金は支払わない.
(4)格下げ 格下げは譴責処分を加えた上、降職級する
(5)解雇
(6)懲戒解雇 予告期間を設けることなく、即時に解雇する。この場合、労働基準監督署長の承認を受けたときは予告手当を支給しない

(制裁)
従業員が次の各号の1に該当する場合には審査の上制裁を行う。
(1)重要な経歴を偽りその他不正手段によって入社したとき
(2)本規則にしばしば違反するとき
(3)素行不良で会社の秩序及び風紀をみだし、またみだそうとしたとき
(4)出勤常ならず、正当な理由なくしばしば欠勤する等、業務に熱心でないとき
(5)故意に業務の能率を阻害し、または業務の遂行を妨げたとき
(6)業務上の怠慢、または監督不行届によって災害事故をひき起し、または会社の設備器具を損壊したとき
(7)許可なく会社の物品を持ち出し、または持ち出そうとしたとき
(8)会社の名誉・信用をきずつけたとき
(9)会社の秘密をもらし、またはもらそうとしたとき
(10)業務上の指揮命令に違反したとき

こういうのを昔風の就業規則といいます。のどかといいますか、“古き良き時代”の昭和の就業規則です。これではイマドキのIT時代には対応できません。

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