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【就業規則の重要箇所】
勤務時間と休日 今の“相場”はどうなっているの?<4>

"鉄壁の就業規則"で、がサービス残業だったと訴えてくる前に見直す

変形労働時間制

総務部長 変形労働時間制は、どれぐらい普及しているのでしょうか?
北見 厚生労働省の就労条件総合調査(平成23年)によれば、次のようになっています。
変形労働時間制を採用している企業は53.9%(前年55.5%)となっている。企業規模別にみると、1000人以上が74.4%(同76.6%)、300~999人が67.8%(同66.3%)、100~299人が56.9%(同59.3%)、30~99人が51.4%(同53.0%)となっている。産業別にみると、鉱業,採石業、砂利採取業が86.9%(同84.9%)で最も高く、金融業、保険業が18.0%(同20.1%)で最も低くなっている。
変形労働時間制の種類別(複数回答)にみると「1年単位の変形労働時間制」が36.9%(同37.0%)、「1か月単位の変形労働時間制」が14.1%(同15.3%)、「フレックスタイム制」が5.9%(同5.9%)となっている。(第7表)
変形労働時間制の有無、種類別採用企業割合
総務部長 東京都の調査ではどうなっていますか?
北見 東京都の「中小企業賃金事情」(平成23年度)によれば、次の通りでした。
変形労働時間制・みなし労働時間制の採用状況
変形労働時間制のなかで最も採用が多かったのは「1年単位の変形労働時間制」で、制度ありとする回答が20.4%であった。次いで「1か月単位の変形労働時間制」(15.2%)、「フレックスタイム製」(8.5%)となっている。
みなし労働時間制では、「事業場外労働のみなし労働時間制」が制度ありとする回答が14.5%あったが、その他の制度については低い採用率であった。

変形労働時間制・みなし労働時間制の採用状況

総務部長 役所の調査結果をみて、どんな印象を持ちますか?
北見 私の印象とはずいぶん異なっています。私の周囲では、変形労働時間制を採用しているところが大半です。変形労働時間制の中でも、1年単位変形労働時間制が非常に普及していて、7割以上で採用されています。
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