鉄壁の就業規則トップ> 就業規則に関するニュース > <10>就業規則とうつ

就業規則に関するニュース <10>-4
就業規則とうつ

”鉄壁の就業規則”で、新聞沙汰にならないようにして下さい

裁量労働訴訟:「要件満たさず」 時間外賃金支払い命令--京都地裁

 京都市中京区のコンピューター関連会社でシステムエンジニア(SE)として「裁量労働制」で勤務していた男性(34)が、実際には裁量性の低い労働だったとして、時間外賃金など約1600万円の支払いを会社側に求めた訴訟の判決が31日、京都地裁であった。大島真一裁判官は「男性の業務は裁量性の高い業務とは言えない」などと男性側の主張を認め、時間外賃金と付加金計約1140万円の支払いを命じた。
 裁量労働制は、仕事の進め方などを労働者の裁量に委ね、実際の勤務時間とは関係なく、一定の時間を働いたと見なして給料を支払う制度で残業代は支払われない。労働基準法の規定で、労使協定を締結すれば、研究者や証券アナリスト、建築士など、専門性の高い業務に適用される。
 判決によると、同社は03年、SEに専門業務型裁量労働制を適用する労使協定を締結。男性は、大口顧客との取引の責任者だった。しかし、実際の仕事はシステム設計の一部を下請けしているだけで裁量性は低く、同法で裁量労働の対象と認められていないプログラミング業務のノルマも課せられた。
 男性は次第に業務成績が悪化し、「うつ状態」と診断を受け、09年3月に退職した。
 判決は「男性の業務は専門業務型裁量労働の要件を満たしていない」と認定。時効で消滅していない07年7月から退職直前の09年2月までの時間外賃金を認めた。会社側は「SEの職務実態を理解していない。控訴も含めて検討したい」とコメントした。【成田有佳】

[毎日新聞社 2011年11月1日(火)]

>>次のページへ
>>前のページへ