立ち読みコーナー 『サッと作れる零細企業の就業規則』
<第2章>就業規則 どんなことを書くか?
- 労働基準法にある絶対的記載事項とは?
- 会社を守るために記載するとよい事項がある?
- 小さな会社こそユニークな経営理念を
労働基準法にある絶対的記載事項とは?
労働基準法には就業規則を作成した時の、絶対的記載事項が定められております。
それは、下記の内容です。
その1 | 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合においては就業時転換に関する事項 |
その2 | 賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関すること事項 |
その3 | 退職に関する事項(解雇の事由を含む。) |
その4 | 退職手当の定めをする場合においては、適用される労働者の範囲、退職手当の決定、計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項 |
その5 | 臨時の賃金等(退職手当を除く。)及び最低賃金額の定めをする場合においては、これに関する事項 |
その6 | 労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項 |
その7 | 安全及び衛生に関する定めをする場合においては、これに関する事項 |
その8 | 職業訓練に関する定めをする場合においては、これに関する事項 |
その9 | 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合においては、これに関する事項 |
その10 | 表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項 |
その11 | 前各号に掲げるもののほか、当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合においては、これに関する事項 |
その3までを絶対的必要記載事項といい、就業規則には絶対に必要な取り決めで、それ以外は、その職場に取り決めがある場合に記載しなければいけない事項で相対的必要記載事項と言います。
いかがですか。就業規則の記載事項は上記の内容になっており、書き方とか、書式は何も定められておりません。
その為、上記の内容が定めてあれば、それだけでもOKなのです。町の本屋さんに行くと就業規則に関する本がたくさん出版されております。しかし、それは大企業用であるか、小さな会社の就業規則となっていても、最低従業員10名以上を対象にした内容であります。条文は最低でも60条近い内容であると思います。その他の給与規定・育児介護休業規定などを含めれば、最低100条は超える内容となります。
これでは、零細企業の多忙な社長が、社会保険労務士などの専門家に依頼しなければ、到底作成できないのが現状かと思います。私も正直な話、従業員5名ぐらいの会社に、100条位の就業規則を提案してきました。ただ、数名の会社にこれだけ規定が必要か、自問自答してきました。
なにかあれば、定めておいたほうがリスク対策になるということで、お客様には説明してきました。
10人以上であれば、義務化されており、100条位の条文も必要であると思いますが、従業員2・3名の会社はどうかということを考えると、もっとシンプルであってもいいのではないかと考えるようになりました。そのように思い、従業員2名の会社に、20条前後の就業規則を提案した結果、大変好評をいただきました。
約1時間で説明がおわり、社長さんにご納得いただけました。わかりやすくて、いいというお話でした。具体的な内容は第4章で伝説の就業規則ということで記載します。記載例のような内容が規定されていれば、中小零細企業では、大概対応できるものと思います。